2021.01.06 インタビュー

承継するのは事業ではなく想いと場〜カフェときどきバー・お宿たけだ〜

承継するのは事業ではなく想いと場

2020年12月22日、90年以上前から家族が紡いできた土地で、人々の気持ちがホッとする居心地の良い場を作りたいと思い、カフェときどきバー・お宿たけだが白山市鶴来にオープンしました。今回は店主でもある竹田和代さんにインタビューをさせていただきました。

1 外に出たからこそ見えた地元鶴来への愛
2 業態を変え、想いと場を承継する

外に出たからこそ見えた地元鶴来への愛

これまで竹田さんは色々な職種のお仕事をされたと聞きました。

　いくつかの業界で仕事をしてきましたが、どの業界の仕事をするときも「お客様と共に喜びと感動を生み出す」をモットーに働いてきました。これまでCM制作会社、個人事業主としてウエディングプランナーや旅行添乗員と様々な業種を経験し、昨年暮れにカフェと民泊を始めることになりました。元々は旅行好きが転じて旅行添乗員になりましたが、各地に行けば行くほど地元である鶴来の良さと、自身の鶴来に対する地元愛を実感し、鶴来の魅力を伝えたい。もっと良い町にしたいと思いました。

笑顔が素敵な店主竹田和代さん

どうしてカフェと民泊だったのでしょうか？

　単純に昔からカフェを開くことが長年の夢でした。笑　生まれ育った大好きな地元鶴来で人に喜んでもらうため。人に喜んでもらうことに幸せを感じる自分のため。

そのために、鶴来の町でゆっくりほっこりお茶する場所を提供するためにカフェを開きました。また旅行添乗員の経験も生かし鶴来の町の良さを、多くの人に知ってもらうこと、ゆっくり鶴来の町を観光してもらうために地域の住人と旅人との交流を生み出し、それぞれに楽しい時間を過ごしてもらうためには民泊とカフェのコラボが良いと思い、開業することとなりました。

ハンドドリップの美味しいコーヒー

カフェに飾ってあるダルマが可愛いですね！

先祖代々引き継いできたものです。「七転び八起き」が私自身の大切にしている価値観であり、

失敗したっていい。間違ったって良い。間違いや失敗を恐れたり、非難することはせずに、どんどんやってみてみることを大切にしたいという思いの象徴として「ダルマ」を飾っています。

タケダの象徴でもある引き継がれてきたダルマ

業態を変え、想いと場を承継する

先祖代々の土地を引き継いでお店を開かれましたが、どうしてでしょうか？

　元々は鶴来の違う場所で探していましたが、中々見つからずに、母親に「ここでやろうかなぁ」とポロっと言葉を漏らしたことがきっかけで、ここで開くことになりました。やっぱり原点に戻ってくるんだなぁと運命を感じています。

　お店を開いたのはほんの数ヶ月前まで、先代の母親が理容室を営んでいた場所です。もともと先祖が小間物屋として商いをはじめ、祖父が理容室を開き、祖母、母と承継し同じ土地で商いを続けてきました。地域の憩いの場として愛され続けてきたお店でしたので、業態を変えながらも先代からの想いを承継し、「地域の人と旅行者が繋がれる、憩いの場」として成長していけるよう、新たにスタートしました。継承するにあたって先代とたくさん話をすることができ、タケダの歴史をきちんと聞けたことは本当にありがたいことでした。

先代から引き継いだ理容室の品々

　カフェスペースは地域や年齢、あらゆる境界線を越えて、多くの人が集い、つながり、自由と楽しさ、笑顔が広がる癒しの場にしていきたいです。今回店舗を改装するにあたって、古道具も沢山でてきました。宿泊施設内には長年受け継がれてきたその古道具も沢山展示することができたことも、とても嬉しく思っています。宿泊できる部屋は全部で３部屋あります。それぞれの部屋に色の名前がついており、そのイメージに合わせて内装もリフォームしました。

宿泊施設には大広間もあり、旅行者同士の交流もあります。

お部屋は落ち着きのある和室は部屋ごとにテーマ色があります。

お酒の席で使われてきた古道具。先祖代々引き継がれてきた古道具も新たに日の目を見ます。

最後にこれからの地元鶴来とタケダの関わりを教えてください。

　私が生まれ育った鶴来地区（先祖代々商売を続けてこられた町）への感謝の気持ちから、

まずは同じ鶴来地区の他のお店や業種の方々と協力しながら、相互送客できる関係になっていきたいと思います。

そして、鶴来が楽しいことがたくさんある町、素敵なお店がたくさんある町、多くの人々が訪れたくなる町にしたいです。また訪れた人と住んでいる人との交流が生まれ、いつしか住みたくなる町になり、移住者が増えていく。そして、他の地域の方々とも繋がりを作り、新たに楽しいことを常に生み出しながら、外から中へ、中から外へと情報や楽しさの幅を広げていきたいと願い経営をしていきます。