ともに成長する喜び
重量物の物流分野で成長を続ける野々市運輸機工株式会社。チームワークとデジタルテクノロジーで、新しい物流サービスを目指しています。今回は代表取締役社長の吉田章氏にお話を伺いました。
代表取締役社長の吉田 章 氏
お客様のニーズを自社の強みに
創業の経緯を教えていただけますか。
1966年に私の祖父である吉田肇が創業しました。1989年に現在の 「野々市運輸機工株式会社」に改称し、金沢市湊に本社を移転しています。代表職は1998年に父が継ぎ、2019年にその後任として私が就任しました。
私が入社したのは2007年で、 当時はドライバーとして働いたこともありますが、運転があまり得意ではなくて…デジタル関係が好きということもあって、社内の管理業務に携わることになりました。
御社が得意とされている業務についてお聞かせください。
弊社の業務は平ボデー車での運搬が中心です。現在は箱型の運搬車両が主流となっていますが、それだと長尺物・変型物の配送がしにくいんです。弊社はもともとパイプなどの長尺物や重量機械の運搬が多く、そのご要望に引き続きお応えする形で平ボデー車に特化してきました。2016年には長尺物等の混載配送を担う全国ネットワーク 「メタル便」 グループに加入し、北陸地区の拠点となっています。
また、自社倉庫を持っていますので、輸送品を一時保管し必要な時に配送する「ストック&デリバリー」も可能です。
さらに、お届けした機器などの施設内への搬入や据え付けにも対応しています。特に重量物を扱うことが多いのでお客様に喜ばれています。
中継輸送ではリレーのバトンのように貨物を引き継いでいくため、運搬や保管の情報管理が重要ですが、デジタル管理を取り入れているのも強みの一つですね。
長尺物の運搬に対応できる平ボデー車
デジタルツールを積極的に活用されていると伺っています。
私自身がデジタル化に興味を持っていたこともあり、かなり早い時期に導入してきたと思います。今までにデジタルタコグラフや、情報を共有・管理できる配車基幹システムなどを採用しています。
電話やFAXでの連絡が主体だった頃は、社内とドライバーの連携がうまく取れず「言った・言わない」で揉めることも多かったんです。デジタル化のおかげで社内の情報共有は格段に向上しました。
また、弊社では社員全員にスマートフォンを配布して、グループチャットアプリでコミュニケーションを取っています。スピード感が違いますし、「和」を保つ重要なツールとなっています。
チームで協力し、助け合いながらの仕事風景
まずは相手を受け止める
社員の皆さんとのコミュニケーションを大切にされているんですね。
10年くらい前は経済情勢の悪化などの影響もあり、社内も暗い雰囲気でした。せっかく入社してくれた方が、「自分は皆と一丸となって働きたいが、そういう雰囲気が感じられない」という理由で辞めてしまった時は、呆然としましたね。どうしたらいいのかと本当に悩みました。
そんな時、祖父に創業からの歴史を聞く機会がありました。道路も舗装されておらず危険で大変な時代だったという話の中で「それでもここまでやって来られたのは従業員が頑張ってくれたおかげ」という言葉に、はっとしました。今思えば当たり前のことなんですけど、当時の自分にはそういう気持ちが抜け落ちて傲慢になっていたのかもしれないと気付かされたのです。ちゃんと皆と向き合おうという想いが生まれました。
まず社員の皆さんに「この会社には皆さんの力が必要です、どんな内容でも全部聞くので思っていることを話してください」ということを伝えました。話を聞く中で最初は不平不満が多くありましたが「自分たちの話をしっかり聞いてくれて嬉しい」という声も出てくるようになり、話をきちんと聞くことの重要性を痛感しました。そこから空気が変わりましたね。今でも毎年社員さんとの個別面談を行っており、話し終えると皆いい表情になっています。話を聞くということは、相手を受け止めることなんですよね。
他にも、お互いへの感謝を伝え合う「ありがとうカード」という取り組みを行っています。始めた頃はなかなか浸透せず、私一人が書いたカードを自分で集計するような日が続きましたが、そのうちに「見てくれていたんですね」と反応が返ってくるようになり、参加してくれる人も増えてきました。現在はグループチャットで送る形式になっており、毎日メッセージが入ります。「ありがとう」の数では、業界トップクラスだと自負しています。
社員同士がグループチャットで感謝を伝え合う
ともに成長する喜び
経営理念に「和と感謝の心を持ち成長し続けます」とありますね。
私は人の成長を見るのが好きなんです。社員さんの成長に感動することも多いです。ためらわずに挑戦してほしいという思いから、資格・免許の取得に際しては全面的に支援をしています。会社のことを信じてほしい、そのためには会社側も「信じています」という姿勢を見せたいですよね。さらに、資格を取得した社員さんにはその分評価も高くしています。やる気のある人はどんどん成長していける会社だと思います。
全く異なる業種からの転職など未経験からスタートされる方も多いですが、弊社ではチームで働くことを重要視していますので、皆がお互いに助け合って業務にあたっています。また、限られた人しかできないということが無いようマルチに対応できる人材の育成を進め、フレキシブルな働き方をしてもらえるようにしています。社員さんからの「仕事が楽しい」という言葉が本当に嬉しいですね。
そして、この会社で成長してきた人が豊かな未来を創ってくれたなら自分の人生にも意義を感じられる気がしています。
これからがスタート
最後に、今後のビジョンなどお聞かせいただけますか。
描いている未来像は、「最高のチームワーク」と「社員一人ひとりの個性の発揮」によって物流業界のリーディングカンパニーになる、ということです。コーポレートスローガンの「人をつくる。未来をつくる。」が全てですね。
会社を創るのは人、未来を創るのも人なので、人づくりを大切にすることで未来を創っていきたいと考えています。
現場の社員さんにインタビュー
野々市運輸機工株式会社に勤務されている社員さんにもインタビューをお願いしました。
左・入社8年目 乙谷 忠秀さん(配車・倉庫管理、広報)
右・入社半年 中村翔太郎さん(ドライバー)
※入社歴はインタビュー当時
資格取得支援とチームワークが魅力
入社されたきっかけをお聞かせいただけますか。
乙谷:前職は美容師でした。30代を前に職場環境を変えたいという気持ちから転職を考え、野々市運輸機工に出会いました。特に資格取得の支援制度が充実しているのが心強かったですね。100%会社に支援してもらえるというのは、他社にはない大きな魅力だと思っています。
中村:僕は前職でもドライバーをしていましたが、ここのホームページを見たときに「2024年問題」への取り組みがしっかりしていて 「この会社の社長はすごいな」 と思い応募しました。資格もこの半年で玉掛け、天井クレーン、ユニック車(クレーンを装備したトラック)の免許を取得しました。資格取得が評価につながることも嬉しいです。
実際に働いてみて、会社の雰囲気はいかがですか。
中村:僕は若い方なので10歳以上離れている先輩も多いのですが、大型車の動線で気を付けること、積み込みや配送ルートのことなども積極的にアドバイスをくれて、とても助かっています。前の職場ではそういう感じではなかったのでびっくりしました。ここではいつも2〜3人で相談しながら仕事を進められて、むしろ「1人にさせない」くらいの雰囲気があります。各自スマホを持たせてもらっていて、社内連絡もそれで確認できるので安心です。
乙谷:チームワークで仕事をする社風ができていますね。扱うものが鋼材や水道管といった重量物なので、そもそも1人ではできないということもありますが、社員同士の仲が良く、みんなで協力できるのが強みです。誰がどこで何をしているかもオープンになっています。
乙谷さんは、会社の公式TikTokの発信を担当されていらっしゃいますね。
乙谷:うちは中途採用が圧倒的に多いのですが、新卒の方や若い方にも知ってもらいたいと思って始めました。特に運送業はちょっと怖いとかゴツい印象を持たれることもあるかと思いますが、現場の雰囲気の良さが伝わると嬉しいですね。お客様からも「見たよ」と声をかけていただけて励みになります。実際にTikTokを見て応募してきてくれる方も多いんですよ。
未経験でも免許が無くても大丈夫
未来の仲間へのメッセージをお願いします。
乙谷:年間休日も以前より増えて年間110日ありますし、フレキシブルな働き方ができます。そういった取り組みを進められるのも全員で業務を分けられる仕組みがあってこそですから、協調性やチームワークを大切にしてくれる方であれば、全くの未経験でも問題ありません。会社も先輩社員もしっかりサポートしてくれますので、何も持っていないところからスタートできます。
中村:自分のように若い人にも入ってほしいです。みんなで助け合って働いていけるので、安心して来てください!
野々市運輸機工株式会社
住 所:石川県金沢市湊1丁目55番地23
電 話:076-238-7077
FAX:076-238-2990
URL:https://nonoichiunyu.com
SNS:https://www.tiktok.com/@akira_syacho
設 立:1966年
事業内容
一般貨物自動車運送事業