2021.07.30 インタビュー

お客様から必要とされるものづくり〜泰和ゴム興業株式会社〜

お客様から必要とされるものづくり

石川県でブリヂストンノンタイヤ部門の正規代理店を務める「泰和ゴム興業株式会社」。時代や流通形態の変化に対応しながら、現在では工業用ゴム製品の加工・販売を中心に業績を伸ばし、県内の経済界からも注目を浴びています。
社長の藤本博司さん、監査役の藤本節子さん、常務の中野和豊さんにお話を伺いました。

新工場を前に笑顔の藤本社長

1 付加価値を求めて
2 品質へのこだわり
3 高まる環境への意識

付加価値を求めて

現在、こちらではゴムの加工などを中心に幅広い商品を扱っていらっしゃるとお聞きしました。

会社は戦後の昭和22年に彦三町で創業したのですが、当時は主に雨合羽やゴムホース、スポンジ、マットレスなどの生活用品を販売していました。その後ブリヂストンの代理店となり、またゴムの利便性が高まる中で、その特性を活かした寝具やゴルフなどのスポーツ用品も扱うようになりました。さらに経済成長の中で工業用ゴムの需要も高まったことで、しばらくはそれらを主力とした卸売業が中心でした。

それが現在のように工業用ゴムの加工・販売を中心とされる方向に舵を切られたことには、何か理由がお有りなのでしょうか？

やはり、流通形態の変化は大きかったと思います。昭和の後期には大手メーカーが独自で商品開発から店頭販売までの流れを担うようになり、それまでの卸売業の価値が問われるようになりました。単に商品を卸すだけではなく、そこに他社にない付加価値が求められる。そのような時代の変化に対応すべく、自社で材料を仕入れ、お取引先が求めるような商品に加工までを行う、いわゆるオーダーメイドへの対応を始めたことが大きな転機になったと思います。
昭和61年に設けた専用工場（粟崎町）は営業活動の活性化を促す相乗効果を生み出し、新規開拓、拡販に貢献しました。

監査役の藤本節子さん（写真左）、常務の中野和豊さん（写真右）にも一緒にお話を伺いました。

品質へのこだわり

工業用部品ということで、非常に精密さが求められるかと思います。そのあたり、大変なご苦労をされているのではありませんか？

製品開発時にはお客様と綿密な打ち合わせを重ねています。現在では湊地区に集約した工場・倉庫で生産性・効率性を高めると同時に、常に高い品質や均一性、短納期を保てるような体制をとっています。また、品質保証部が生産に深く関与し品質保証に関する各種方針の策定や品質不具合の検討を行い、常に安定した製品を供給することで、今後もお取引先との関係を更に高めていきたいと考えています。
一方でご要望に応じた少数ロットの製品にも対応しており、お客様から必要とされるものづくりを実現することが、企業としての理念や社員のモチベーションにもつながっているかと思います。

精密な作業を行う社員さん

整理整頓の行き届いた工場内

やはりお客様との信頼関係が大切なんですね。

社名である「泰和」には「泰らかで調和を重んじる」という意味が込められています。またその読みが当社の企業理念でもある「対話」にも通じており、今後もお客様とはもちろんのこと、社内でのコミュニケーションも大切にしながらともに歩んでいく関係を築いていきたいと思います。

高まる環境への意識

社内を拝見しますと、倉庫なども非常に整理整頓が行き届いており、環境やエコに対する意識が高いように見受けられます。会社として特に注力されていることはあるのでしょうか？

従来よりあった企業理念に加え、社員に環境への意識をより高めてもらうため「環境経営方針」を掲げています。５Ｓや３Ｒを実践することで「ムリ、ムダ、ムラ」を無くし、少しでも地球の環境保全やＳＤＧｓの理念実現のための力になればと考えています。
また、会社経営にも環境という概念をより取り入れるため、エコステージを平成24年（ステージ１）と29年（ステージ２）に取得しました。これはその取得が目的ではなく、そのためのプロセスを重視したものです。工場拡張により社員数が80人超に増えましたが、社員全員が何かしらの役割を果たし様々なエコ活動を行っています。

掲示物にすることで、全社員で取り組んでいる様子が見える。