インタビュー

たくさんの「ありがとう」を作る会社へ。〜河内物産株式会社〜


たくさんの「ありがとう」を作る会社へ

河内物産株式会社は1974年に創業した、鶏肉の飼育から加工販売まで一貫して行っている北陸で唯一の会社です。2010年に2代目として就任し、この10年間多くの困難を乗り越えてこられた、代表取締役社長の河内勇二氏にインタビューしました。

命を頂くことに真摯に向き合う

まず御社の事業内容を教えてください。

大きく分けて、鶏肉の「飼育」「加工」「販売」を事業の柱としています。昨年までは、主幹事業の一つとして「処理事業」も行なっていましたがやめましました。

なぜ「処理事業」をやめたのでしょうか。

 今まで当社で鶏肉を扱ってきて、生きた鶏の命を頂く処理段階で、いわゆる鳥のその断末魔みたいなそういう最後の悲鳴みたいなものを間近で聞いていました。お客さんにもこれはこういうもんですよと説明しておきながら、最終的なお肉に関してのありがたみというものを単なるものとしてしか扱ってないっていうのが、自分としてはすごくやっぱり恥ずかしかったなぁと感じます。

 それがいろいろその経営指針作ったときに何のためにうちの会社やってるんだろうかと考え、当社の商業規模の面から考えると、表面的には話や意味合いは繕えますが、自分の中身として問われたときに薄っぺらい自分をすごく感じました。じゃあ何のために私は経営をしているんだろうと振り返った時に、鶏の命を頂いてるってこと考えたら、きちんとありがたいこのお肉に対してありがたいなって思わなきゃならないし、それを伝えなきゃならないと、考えるようになって、そこから鶏を大事にしよう。感謝しようというところから、どんどん会社、社員のほうに自分は発展していったということが、きっかけです。

経営指針が道標に

経営指針が事業展開への道標になったのですね。

ある経済団体での勉強会を通じて、数年前に経営理念を作りました。

~わたしたちは事業を通じて、たくさんのありがとうをお作りします~

1(科学性):ありがとうと呼ばれる会社へ〜私たちはお客様への安心と、石川県が誇る食文化を構築します。〜
私達は食に携わる仕事柄、まずお客様の安心を一番の優先事項として取組みます。
そしてこの会社にしかできないことを地元に根付いた食習慣と織り交ぜながら新しい食文化を構築します。

2(社会性):地域社会へたくさんのありがとうを〜私たちは地域社会の『困った』を『良かった』に変えます。〜
私達の事業ができるのも、地元地域の方々のご理解があってからこそだと思います。
だからこそ私達の事業を通じて地域の方々が困っていることを解決に向かうことで地域社会を絡めた市場を創り出すことができます。

3(人間性)ありがとうと呼び合える仲間達へ〜私たちは仕事を通じて素直な心で助け合う集団を目指します。〜
私達は仕事を通じて人としてのつながりを一番大切にしあう集団を目指します。
そのためにはお互いなくてはならない存在だと素直な心で認め、 常に相手の立場で考え助け合う集団を目指します。

「辛い時に支えてくれた社員や家族、そして毎月頂いている5万羽の鶏の命への感謝。これらを実現するために私たち「河内物産・夢農場グループ」という会社や組織があります。

この経営理念を元に経営していくことで、ブレずに前に進んでいけると思います。

 

コロナ禍だからこそ見えてきた新しい夢「夢農場」

コロナ禍において飲食業界は大きない影響があったかと思います。

 私たちもコロナウイルス感染拡大の影響を受けました。おうち時間が増えたことにより、スーパーマーケットなどへの卸売量は増加しましたたが、一方で粗利率の高い飲食店への卸売の量が激減しました。今後も復調の見通しは厳しいままです。

しかし、一方で「コロナ禍だからこそ新しく見えてきた夢」があります。

実は知人から「卸売ばかりで直営をしないのはなぜ」と問われたことがきっかけとなり、本社工場前の雄大な土地を活用し、複合農場「夢農場」を作る決意をしました。

この状況下で大きな決断でしたね。夢農場について教えてください。

 「夢農場」は鶏関連の加工品販売施設を設営するほか、販売品の飲食や放牧した鶏と触れ合うことができる、広々とした芝生のピクニックスペースを設営します。これは、このコロナの厳しい状況だからこそ見えた光景です。

「夢農場」の光景自身が自社のパンフレットになるように作っていきたいです。そこには絶対に終わりはないく、東京ディズニーランドのようにお客様がなんども来たくなるよう、来るたびに代わっているような施設を目指しています。

最初は鶏の寛げる小屋や直営店から、次に地元の作物もそこに出来れば作っていきたい。そうすると鶏から排出された糞をたい肥にして、そのたい肥を作物にして地元のいい作物がでて、それを直売所で販売するなり、作物の端材を鶏に食べさせて循環させることができると思っています。また、「夢農場」は多くの人と鶏が関わることで、命の大切さを学ぶことができる食育の場として、教育や地域貢献に繋げていくことも目指しています。

 これらの活動は「ありがとう」を生み出し、また、「ありがとう」を伝えていきたいと願う、当社の経営理念と夢が体現される場所として実現します!

 

株式会社 河内物産
〒929-1215 石川県かほく市高松乙2-96
TEL:076-281-2211
FAX:076-282-5379
HP:https://www.wakadori.net/