ピックアップインタビュー

諦めない心が地域の安心を支え続けている。 〜アイ・ミルク北陸株式会社〜


諦めない心が地域の安心を支え続けている。

石川県能美市吉光町にて牛乳およびヨーグルトの製造・販売を行うアイ・ミルク北陸株式会社。
今回は代表取締役社長の廣田 孝司氏に、事業を通じて地域の健康や安心をどのように支えてきたのかをお話しいただきました。


代表取締役社長の廣田 孝司 氏

安心を届ける「地元の牛乳屋さん」

まずはアイ・ミルク北陸設立の背景と事業内容について教えてください。
創業は明治時代、1894年に曾祖父である廣田美之吉が能美郡福江村五間堂で立ち上げた廣田牛乳の元となる愛牸社(あいじしゃ)に遡ります。そして2代目である廣田修次が1952年に小松牛乳有限会社として法人化しました。
その後、2004年に4代目として私が代表となり、2011年4月に北陸乳業株式会社と事業を統合し、現在の社名になりました​​。
現在の事業は牛乳およびヨーグルトの製造・販売です。「地元の牛乳屋さん」として地域の健康を願い、安全で美味しい製品を提供しております。
創業者である廣田美之吉の親が医者であったこともあり、当時栄養価の高い「牛乳」に着目し、今後世の中から必要とされる事業になるとの想いから愛牸社を立ち上げ、牛乳の製造・販売を始めました。
1952年には法改正もあり、牛乳は殺菌してから提供することとなりました。そのために同業社と共同出資をして小松に工場を建て、私たちも法人化しました。その後は困難もありながらも順調に大きくなっていき、改めて製造に適した土地や環境を求め現在の土地に社屋と工場を構えました。ここは手取川のきれいな水も豊富にあるので、とてもいい環境です。
この頃からは大手企業からの下請けも始まり、会社としても技術や衛生環境など求められる基準が高くなってきました。なかなかうまくいかないこともありましたが、諦めずに期待にこたえ続けることで、会社として成長できたと思っています。


歴史を感じる貴重な資料

商品のラインナップも豊富ですが、メーカーとして製造のこだわりはありますか。
まず、安全で美味しい牛乳・ヨーグルトを安定供給していくことは当然の役割だと思っています。そのために2001年以降乳業再編事業を活用して、施設を全面改築したり、HACCP方式を導入したりと、県内トップレベルの製造環境を整えてきました。
それから、「風味」はどこにも負けたくないと思っています。風味というものは酪農家さんたちから頂いた素材が全てなのです。だからこそ私たちは酪農家さんたちとの密なコミュニケーションを大切にしており、年2回の訪問は欠かしません。酪農家さんたちにはその場で提案やリクエストを出したり一緒に協議したりしながら、お客様に常に安心・安全で美味しい商品をお届けするためのチームビルディングをしています。始めた当初は難色を示す方もいらっしゃいましたが、回数を重ねるごとに商品が改善されていきお客様にも喜んでいただけるようになると、理解を得ることが出来るようになっていきました。やはり顔が見える間柄で腹を割った関係性を作っていけることが大切だと考えていますし、ここが当社の強みでもあると感じます。
また当社の体制としても風味検査のトレーニングを行うなどスキルアップも仕組化されています。


豊富なラインナップ

変革、そして諦めない心。

130年の歴史の中で会社の規模拡大やお客様からのニーズ変化など何度もあったかと思います。どのように対応されてきたのでしょうか。
数十年前は牛乳を製造し瓶詰めして宅配販売などをすることが主でした。
しかし昭和50年代に入り紙パックが流通しだすようになり、量販店への販売などで事業が拡大していきました。つまり賞味期限をしっかりと確保することが求めれるようになったということです。先にも話しましたが、このタイミングで大手企業からの下請けも始まり、技術指導や環境整備などと合わせてニーズに応えていくことが出来ました。
デジタル化についてもこれまで積極的に取り組んできました。人手不足ということもありますが、出来るだけ人の手でやることを減らし、生産性を高めるようにしています。コンピューターでの数値管理や制御など導入当初は手探りで大変でしたが、私も導入当初は率先して大手企業などに見学をさせて頂ながら勉強し、人材教育と合わせて社内に落とし込んできました。失敗も多くありましたが「生産性向上プロジェクト」を社内プロジェクトとしてたちあげ、諦めずに改善を続けることで少しずつ成長してきました。
また、2011年には北陸乳業株式会社と事業を統合したこともあり、企業規模が拡大しました。
設備投資なども相まって資金繰りなどの試練もありました。そのような中「人」の問題がとても大変でした。統合当初はお互いの主張や想いもあり、なかなか一つにまとまらない部分もありましたが、諦めずにとにかく社員の声に耳を傾けました。そして経営者としての想いも伝え続けることで、少しずつですがお互いのベクトルがあってきたように思います。

聴く姿勢と想いを伝えること。とても大事ですね。他にも経営者として大事にしていることはありますか。
「諦めない」ということです。この言葉は先代である父から受け継いだものです。どんなことに対しても最後までやり遂げることを大切にしています。ただ、考え方や対応は柔軟にして、方法やアプローチなどを変えながら、目的達成のために出来得ることを探し続け実行しています。また一人では出来ないこともたくさんあるので、先代や社員、外部の方にも多くを教わりながら最善を見つけようと思っています。

最後にアイ・ミルクのチャレンジと今後のビジョンを教えてください。
いよいよ2024年に創業130周年を迎えます。これも先代と社員、酪農家の皆様、パートナー企業、そしてお客様のおかげです。
今後は、更に商品開発を進め、アイスクリームやジェラートなどの乳製品関係の商品を作ってみたいです。
子どもたちはこれから先アイ・ミルクの商品を一番手に取っていただく機会の多いお客様です。だからこそ子どもたちの手の届く価格帯で開発していきたいです。その素材に地元の農家さんたちの農作物を使ってコラボするなど、地域を盛り上げていきたいですね。
それから今後も変わらずに、毎日おいしい生乳を提供して下さる酪農家の方々が安心して仕事が出来るようにすること。そして、頂いた生乳をおいしい牛乳・乳製品として安定的にお客様に提供することだと考えます。
それが10年先、20年先を作っていく道だと信じて諦めずに前に進み続けたいです。

アイ・ミルク北陸株式会社
住 所 石川県能美市吉光町ハ-5
電 話 0761-57-2231
URL https://i-milk.co.jp
設 立 1894年7月(会社設立 1965年5月)
従業員数 約70名

事業内容
牛乳・ヨーグルトの製造販売